スポンサーリンク

進む(エンジン)

 ジェットエンジン、翼に次ぐ飛行機自体の魅力でしょう。一般的には、主翼の下や機尾の横に設けられてますね。

 

 翼だけでは飛行機は飛びません。翼を流れの中にさらさなくては…。つまり、

機体を進ませる。それを主な仕事とするのが、このジェットエンジンです!

 

ターボファンエンジン

 

 なんか、いろんな分類があるみたいですが、旅客機に備えられているジェットエンジンは、ターボファンエンジンです。燃費、静音性、耐久性などを考え合わせると、これが良いみたいですね。

 

 ターボファンエンジンが生み出す推力 によって、飛行機は前進することができます。そして翼により舞い上がる、と。下の図は、Pratt & Whitney のHPからパクッてきました。 ちょっと構造を見てみましょう。

 

 

ざっくり言って、5つの要素からできています。

この5つの要素がまとまることで、より速いスピードで、より燃費効率が良く飛行機を飛ばすことが可能となります。また、排気ガス、騒音も以前と比べて少なくなっているとのこと。

 

 

FAN/ファン

 エンジンの前方についています。直径は約2.74m、離陸速度では約2,800rpmで回転。飛行時は何と!1秒間に1トン以上の空気を吸い込みます。

 吸い込んだ空気は、以下の2つに分かれます。

 ・15%のプライマリエア(途中で赤に変わる矢印)…次項で説明

 ・85%のバイパスエア(最後まで青のままの矢印)…排気口で説明

 

 

COMPRESSORS/コンプレッサ

 プライマリエアは、2つのコンプレッサ(ファンと同じ方向に回転している)を通ることで、圧力は30倍にされ、温度は600℃上げられます。

 

 

COMBUSTION CHAMBER/燃焼室

 ここでは、高温高圧の空気に燃料が加えられて燃やされます。燃焼後の混合気(燃焼ガス)の温度は1,000℃以上に達します。この燃焼ガスは2つの仕事をしちゃいます!

 

 

TURBINES/タービン

 第1の仕事は、タービンを回すこと。

 爆発した高温の混合気は燃焼ガスとなってタービン翼を通ります。燃焼ガスによって回転させられたタービンは、前方のファンの軸とコンプレッサの軸の双方を回します。

 

 

EXHAUST NOZZLE/排気口

 第2の仕事は、飛行機に推力を与えること。

 タービンを通過した燃焼ガスは、エンジンの後方の排気口から排気されます。

流路が絞られていることによって排気ガスの流れは加速されます。

 しかしながら主役はバイパスエアの方だった!膨大な量のバイパスエア(吸込量の85%)により、推力の90%を生み出しているのです!! また、排気ガスを包んで消音効果を発揮。さらに、エンジンを冷却したり、燃料効率をupさせることにも役立ちます。

 

 

少しだけ、難しい内容を。例によってwikipediaからパクリました。

推力 の発生メカニズム

 

確かに推力 はジェットエンジンが高速噴射していることで生み出されるんだろうけど、燃焼(爆発)した燃料によって推力を得ているのでは?

いえ、実際は「空気を高速で噴出」することによって生み出されるのです!

どういうとなんだろうか。

 

空気が高速で噴出されるとは、

空気が推力とは逆向きの力を

発生しているということです。

 

逆向きの力というのは、空気の運動量(運動量 = 質量 × 速度)の変化であり、

 

推力とは、空気の運動量変化からエンジンに与えられる力なのです!

※ 厳密には、空気+燃料の運動量変化です。

 

1-1

先ずは、空気の運動量変化を見てみましょう。

空気がエンジンの前後で運動量を変化させるのは、エンジン内で圧縮されたり燃料と一緒に爆発したりして、吸い込み時よりも噴出時(排気時)の方がスピードが上がるからです。

 

もう一つの空気がありますね。バイパスエアです。これは爆発なんかはしませんが、ファンで増速されます。

 

1-2                         .

さて、排気される空気量は吸い込んだ空気量と基本的に同じ0 です。

そうでないと、

・エンジンの内部で空気が溜まっていって排気量の方が小さくなるか、

・エンジンの内部で空気が生成されて排気量の方が大きくなってしまします。

#実際は、一部を拝借して客席の与圧などに利用しています。

           .             .

プライマリエアの方をp とし、バイパスエアの方をb とします。

     .   .  .

従って、apb です。

 

 

2-1

次は燃料の運動量変化。      .             .

速度ゼロの状態からエンジン内部でが供給されプライマリエアp に混ぜられ、爆発して後方に排気されることにより、一気にスピードが上がります。このように、燃料がエンジンの前後で運動量を変化させます。

 

2-2                         .

排気される燃料量はエンジン内部で供給される燃料量と同じです。理屈は空気のときと同様です。

 

 

ということは、

プライマリエア

  量が一定、速度だけが吸込速度1 から排気速度2 に変化

バイパスエア

  量が一定、速度だけが吸込速度1 から排出速度3 に変化

燃料

  燃料量はゼロから或る大きさとなり、速度はゼロから排気速度2 に変化、

したと考えることができます。

 

従って、

 

  プライマリエア+燃料の運動量変化

 

= ppaの運動量変化 + の運動量変化

 

= ((pa2pa1 )+(f2f1))/Δt

 

= (pa2a1)+ f2f1))/Δt

   .           .

= pa2-ua1 ) + f2-uf1

   .          .

= p2-u1 ) + 2

    .   .       .

= (p2 - p1 

 

 

  バイパスエアの運動量変化

 

= baの運動量変化

 

= (b3a3b1a1 )/Δt

 

= (ba3ba1 )/Δt

 

= ba3a1)/Δt

   .

= ba3-ua1

   .

= b3-u1

 

 

となります。 の上に点がついているのは空気や燃料の質量流量という意味です。

    .               .

吸込量a は1秒間に1t以上、吸込量 は1分間に160kg程度、

#1分間にドラム缶(200リットル)1本分のケロシン(密度≒0.8kg/m3

吸込速度1 は、飛行速度程度、

排気速度2 は、私 みふお が、ざっくり計算したところでは飛行速度の2倍くらいになるようです。

排出速度3 は、全く分かりませんが、132 です。

 

以上を計算式に当てはめると空気+燃料の運動量変化が出ます。作用・反作用の法則により、それと同じ値が推力 なのです!

          .         .      .

推力 = -p2-u1 )- 2 - b3-u1

         .   .      .   .      .

    = -(p2 + (pb1 - b3

         .   .      .       .

    = -(p2a 1 - bpr・p3

 

 

ここで、各文字の意味は…

   ・bpr  バイパス比 ≡ bp = 85%/15% = 5.67

   ・1  吸込空気の吸込速度

   ・2  排気ガスの排気速度

   ・3  バイパスエアの排出速度

 

 

上でも触れた通り、第1項,第2項で全体の10%程度しかなく、第3項が90%を占めます(PW4084の場合、全体で374kN)。ということは、プライマリエアはファンを回転させるためのもので、大量のバイパスエアで推力を得ていると言えます。

 

 

スポンサーリンク

他のエンジンで理解を深めましょうか。GEのHPから作りました。

 

以下のグラフは、777-300ER に搭載されているGEの GE90-115B というジェットエンジンのデータです。縦軸の数値は全て共通で単位は色ごとに違います。

※ 上昇時の空気密度は、6,000mのときの密度にしてあります。

 

 

idle/アイドル時

吸込速度が分からないので残念ながらゼロにしてあります。

 

take off/離陸時

フルスロットルにして推力を最も大きくします!

対地速度は約300km/hで、ファン回転数も一番大きいですね。ファンの動力源であるタービンは、最も温度の高い排気ガスで回されています。

 

climb/上昇時

吸込空気の質量流量が最も大きくなるようです。

 

cruise/巡航時

巡航速度は913km/h(マッハ0.84)

 

landing/着陸時

対地速度は約250km/h

 

 

これでジェットエンジンや推力についても何となく分かっちゃいましたね。

「進む」の次は当然「止まる」ですね。

 

ボーイングの工場見学に行ったときに、Future of Flight でもらったポスター

Hey Visitor!

スポンサーリンク