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浮く(主翼)

飛行機自体の最大の魅力といえば、何と言ってもでしょう(翼は「よく」と読みます)。胴体とエンジン以外は翼で、基本的に胴体に固定されています。

 

大空に舞い上がることができるのは主翼の働きによるものです。主翼とは、胴体から横に張り出した大きな翼で、ジェットエンジンをぶら下げているものです。

 

主翼(固定部)… wing

 

 この翼の揚力Lによって、飛行機は空へと舞い上がることができる訳です。翼を流れ の中に置くと流れ に平行な成分の抗力と流れに直角な成分の揚力を受けます。翼とは抗力よりかなり大きな揚力を発生する形状の物体です。

 因みに、翼の各部の名称は図に書き込んだ通りで、特に「翼弦」と「迎え角」の定義は以下の通りです。

翼弦 :翼の前縁と後縁とを結んだ線分

迎え角:流れ と翼弦のなす角α、AoA(Angle of Attack)という

 

迎え角αを大きくすると揚力も大きくなります。

但し、迎え角αが或る角度よりも大きくなると翼上面から流れが剥離して揚力が急激に減少し、抗力が増えます。これを失速といい、このときの迎え角を失速迎え角といいます。

 

ある翼では、迎え角4[deg]付近で最大の揚力を得ており、失速迎え角は22[deg]程度でした。また、揚抗比(の比)は、 =10~20となっていました。これが失速状態になると、4以下になってしまいます。

 

揚力の発生メカニズム

 

 

だいたい、何で揚力が生じるのか分からんですよね。

厳密なことをいうのは難しいのですが、直感的に分かるような説明にチャレンジしてみます。 

 

先ず、翼の下面では、流れ は翼にぶつかり(というか翼に案内されて)、下方向に曲げられます。

 

では、上面ではどうか?

翼の上面では、流れ は翼に引き寄せられるように、翼に沿って下方向に曲げられます(コアンダ効果)。

 

ということで、翼の上下面とも流れ を下方向に曲げています。この変化前後で流れに変化したとします(赤矢印)。翼が流れ に力 を与えて向きを変えたと考える訳ですね。

さて、運動の第二法則(ニュートンの法則)によると

   ( 質量 × 加速度 = 力 )

ですから、これを利用して考えてみましょう。

 

加速度は、速度の変化分ですから次のように表されます。

   ΔV/⊿t = ()/⊿t

 

そうすると力は、次のように表されます。

   = ()/⊿t ∝ 

 

ベクトル部分である()を図示すると左図のようになります。

 

流れ は、翼から青矢印の向きに力 を受けたということです。

 

ということは、運動の第3法則(作用・反作用の法則)により、

 

翼は、流れ から青矢印とは反対向きに力 を受けたということです。

 

この翼が受けた力 のうち、

  流れに、直角な成分を揚力平行な成分を抗力とすると、最初に示した図の通りとなります。

 

 

なお、迎え角やキャンバー(翼の湾曲)を増やすと揚力を大きくできます。
翼は流れを曲げることによって揚力を得ているため、曲げられる度合いを増やせば、それだけ揚力を大きくできます。つまり、をもっと立たせればの長さが長くなるということです。

#が、が寝てしまうので抗力が大きくなってしまいます。

但し、流れが剥離すると曲げられなくなるので、迎え角にしろキャンバーにしろ、

度を超えて増やしてしまうと逆効果です。

 

 

NASAのHPより

 

今までの説明と比べると、

翼を反時計方向に少し回転させた感じになっていますが、

まとめとして載せておきますね。

ベルヌーイの定理によって揚力が発生するというような説明も見かけますが、

そちらよりもこちらの説明が妥当なようです(ex.NASAのHP)。

 

主翼各部に施された工夫(その1)

 

これらは主翼の取り付けに関する工夫です。

詳しく説明しても良いのですが、クドくなるので控えておきます。

 

★後退角

 

翼根よりも後方に翼を伸ばすことで、

 ・衝撃波の発生を遅らせる

 ・ローリング安定を得る

という効果があります。

 

★上反角

 

翼根よりも翼端が高くなるように取り付けることで、ローリング安定を得られる効果があります。

 

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主翼各部に施された工夫(その2)

 

これらは主翼に新たに取り付けられた装備です。

ここでも一言だけの説明に止めておきます。

 

-Winglet-

ウィングレットは、主翼の先端に配されており、高さは約2mもある! Dr.スランプ「アラレちゃん」がキーンと走るときに手首を折り返しているアレですね。翼端で、空気流が下側から上側へ回り込むことを防止し、誘導抵抗を低減します。これによって燃費が向上し、同じ燃料量で約1,000km(約1時間)余計に飛べるようになりました!

 

-Low Speed Aileron-

-Hight Speed Aileron-

エルロン(補助翼)とは、飛行機をバンク(横転・ロール)させるのに使う動翼です。次項で詳しく説明します。

 

-Flap Track Fairing-

直訳は「フラップ軌道の覆い/鞘」で、フラップ⑦⑧を駆動する装置の覆いです。

JAXAのページでは、フラップ駆動装置のフェアリング(FTF)と呼んでいるようです。この図では尖っていませんが、エリアルールを守るために先端が後ろに向かって尖っていることが多く、また、尖っていることで造波抵抗を防止・抑制する役目も果たしています。

 

-Krüger Flaps-

フラップというのは、主翼の前縁を中心にコレを回転することで前縁を更に前に位置させ、揚力を増加させるものです(残念ながら図はスラットそのものを表しており、フラップを表していません)。

クルーガーフラップというのは、翼面積だけを大きくして翼の厚み(キャンバー)を変化させないものをいいます。キャンバーを変化させるものはバリアブルキャンバーフラップといいます。

 

-Slats-

前縁の一部分を前方にせり出すことで前縁を更に前に位置させ、揚力を増加させるものです。主翼との間にすき間を作ることで、翼下面側の気流の一部を上面側に流し、流れが翼から剥離することを防止し、または、遅らせる。より大きな迎え角まで失速させず、揚力を増大させることができます。

 

-Three Slotted Inner Flaps-

-Three Slotted Outer Flaps-

こちらのフラップは、後縁に配された下げ翼のこと。これを下げると、「翼面積が増える」のと「翼弦の角度が変更され迎え角が大きくなる」のとで揚力が増す。いや、増すというより3倍以上になるそうだ。すげぇ。例えば、離陸時に下げることで揚力を得る。逆に巡航時は抵抗になるので収納位置まで上げます。

 

-Spoilers / Flight Spoilers-

-Spoilers : Air brakes / Grand Spoilers-

スポイラーは、空気の流れを止めて抗力を増大させる装置であり、空力ブレーキの一種です。抗力を増大させる他に、揚力を無くすことでディスクブレーキの効きを良くするという効果もあります。

 

何となく分かってもらえたでしょうか?

次は「進む」に行ってみましょう。

 

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