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4つの力

飛行機には4つの力が働きます。

 

・推力 前進する力、ジェットエンジンによって生み出されます。

     空気を高速で噴出することで発生(cf.ジェットエンジン )。

 

・揚力 飛行機と言えば揚力、翼によって生み出されます。

     流れ中に翼をさらさないといけません(cf.翼(揚力))

 

・抗力 前進することによって発生する力、前進を妨げます。

     揚力とともに生み出されてしまいます。

 

・重力 言うまでもないですな、すべてのものにかかる力。

     何もしなくても生じてしまう不可避なものです。

 

 

これらの力の関係によって飛行機の挙動が変わります。

 揚力 > 重力 ⇒ 上昇

 揚力 < 重力 ⇒ 下降

 推力 > 抗力 ⇒ 加速

 推力 < 抗力 ⇒ 減速

 

巡航速度のときは以下の通りです。

 揚力 = 重力 ⇒ 一定高度

 推力 = 抗力 ⇒ 定速

 

推力 について

 

推力Thrustなので で表します。 

空気の運動量変化の反作用として得られる力で、以下のように表されます。 

         .   .      .       .

推力 = -(p2a 1 - bpr・p3

    .

      質量流量(添え字は、primary 燃焼空気、fuel 燃料、air 吸込空気)

   bpr  バイパス比 ≡ bp = 85%/15% = 5.67

   1  吸込空気の吸込速度

   2  排気ガスの排気速度

   3  バイパスエアの排出速度

 

 

PW4084というジェットエンジンでは、推力 =374kNなので、

おおよそ38tの物体にかかる重力と同じ力の推力ということです。

 

せっかく推力 が分かったので、飛行機に生じう得る加速度を求めてみます。

このエンジンはボーイング777に備えられているので、その数値を用います。

飛行機の質量 は、重量 (=mg)=300tから求められます。

 

加速度 = 推力/質量

     = 374kN/(300t/9.8)

     = 12.2 m/s

     = 1.25 G

 

実際は抗力 があるので、もっと小さい値になるはずですが、777は これくらいの加速度を持っているんですね。

 

#実は、ここで何気なく算出した1.25のことを推力重量比といいます。

 ジェットエンジンなどで推進する物体の特性を示す無次元のパラメータで、

 その物体が理論上発揮し得る最大の加速度を表します。

 

さて、抗力によって加速度が半分程度にされたとして0.62Gだとすると、

離陸決心速度V1程度の300km/hに到達するのに14秒弱、そのときの走行距離は910m程度となります。

 

羽田空港の一番短いB滑走路(横風用滑走路)は2,500mなので、777の実際の加速度もこれくらいなんじゃないかなぁと思います。

 

揚力について 

 

揚力Liftなので で表します。

揚力は基本的に翼の部分のみで発生します。

 

揚力 = 1/2・ρ2Cl

   ・ρ  空気の密度

   ・  流速

   ・  上から見たときの翼の投影面積 

   ・Cl 揚力係数(実験的に求めておきます)

 

取り敢えず力の大きさをこのように表すのは分かったんですが、何のこっちゃって話ですよ。翼面積を大きくすると揚力が増やせるってことくらいは分かるけどね。 

 

まぁ、飛ぶためには飛行機の重量以上の揚力が必要ですが、どれくらいあれば良いのでしょう。777だと重量が300tですから、2倍の余裕をみたとすると

600t以上ですか。

 

 

また、揚力は飛行の前半、つまり離陸時から巡航時までに大きく生じます。生じる場所は、もちろん主翼。一方、飛行機の重心は胴体にあり、ここに重量がかかります。下手すると主翼や、その付け根が折れかねません。

 

これを考慮して、主翼には燃料という錘(おもり)を入れます。また、主翼はしなるように作られています。

 

抗力 について

 

抗力Dragなので で表します。

抗力は翼以外の部分でも発生します。

 

抗力 = 1/2・ρ2Cd

   ・ρ  空気の密度

   ・  流速

   ・  正面から見たときの飛行機の投影面積 

   ・Cd 抗力係数(実験的に求めておきます)

        ex. 前面投影面積が同じ場合

           平板Cd = 1.28
           球のCd = 0.07~0.5
           翼のCd = 0.045程度

 

揚力の式と非常によく似ていますね。抗力係数CdはF1などでも有名です。

この抗力 をもう少し詳しく見てみます。

 

抗力 = 摩擦抵抗(空気と機体表面との摩擦)

    + 圧力抵抗(前方では空気から押され、後方では空気から引っ張られる)

    + 誘導抵抗(翼端で翼の下から上に流れが回り込むのに伴い発生)

    + 造波抵抗(音速(マッハ1)以上の飛行では音の壁が抵抗となる)

 

音の壁 sound barrier を見てみたい人、

衝撃波音 sonic boom を聞いてみたい人は、下のムービーをどうぞ。

 

いやぁ、凄い轟音でしたね。

 

 

それにしても抗力 が、こんなに沢山あったら燃費も悪くなりますよね。

燃費を良くするには、抗力 をなるべく小さくすれば良い訳ですが、それには以下のような工夫があります。

 

・飛行行程のうち、最も長い巡航時は空気の密度ρの小さい領域を飛ぶ。

 但し、空気が薄くなるとジェットエンジンに吸い込む空気が確保できなくなる

 ので、バランスを考慮して巡航高度は10,000mくらいとなっている。

・誘導抵抗を抑えるためにウイングレットを付けている飛行機もあります。

・速度はマッハ1未満に!飛行機の速度だけでなく、局所的にもマッハ1未満に

 抑えます。もっともこれは燃費以上に厄介な問題が発生するからですが…。

 

 実は、上の抵抗のうち上の式のCd で表されるのは「摩擦抵抗」と「圧力抵抗」だけでして、これをCd0 で表します。

 誘導抵抗は異なるCd として表されます。マニア用に記載しておきます。

 

 総合Cd は以下の最後の式で表されます。

 #ここでは造波抵抗は考慮していません。

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重力 について

 

重力Weightなので で表します。

あまり大したことは書けませんが、以下のように表されます。

 

重量

   ・  飛行機の質量

   ・  重力加速度

 

重量は通常、体重70kgとか、重さが300tとかいうときに使われます。

この場合の70kgとか300tは、実は70kgfと300tfなのです。

「f」が付いていますね。これが力の意味です。

 

重量は、重力加速度によって変わり、北海道と沖縄で体重を計ると微妙に違う数値になったりします。また、高度によっても少々変わります。何れにせよ、一般庶民である我々が気にするほどのことではありません。

 

質量の方は、物体に固有の値です(ので変わりません)。

 

如何でしたか?

何となくでも、飛行機のテクノロジーが分かりました? 私 みふお は大変楽しく書かせてもらいました!

 

 

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